「夢について親子で話すことの発達的意味を探る」

奈良女子大学の麻生武先生から科学研究費の研究成果報告書を送っていただきました。ありがとうございます。
「夢について親子で話すことの発達的意味を探る」(平成18年度〜平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(C)研究成果報告書:研究代表者 麻生武)
あ、「夢」というのは「将来を夢見る」のほうではなく「昨日みた夢」のほうです。まだきちんと読んでいませんが、夢は体験されたものだが、現実ではないという面白い性質を持っているので、その語りの発達過程を検討することは大変興味深いと思います。夢語りについては各文化でいろいろな意味づけ(たとえば予言的機能、死者との通信など)がありますから、そうした比較文化的な視点でこの報告書を読んでも面白いのではないでしょうか。たとえばインドの商業移動民ヴァギリの夢見、夢語りについて研究した岩谷彩子さんの「夢とミメーシスの人類学」(明石書店)と結びつけて考えてみるとか。
目次は次のとおりです。
第1章「夢をめぐる親子の会話:53組の母子の夢会話の分析から」(倉中晃子・麻生武)
第2章「子どもの夢概念:夜お布団に入って寝るとどうしていろんなところに行けるの?」(吉良尚子・麻生武)
第3章「現実に関する初期記憶と夢に関する初期記憶」(覚前未央・麻生武)
第4章「現代人は夢をどうとらえているのか:女子大学生へのインタビュー調査から」(滝田景子・麻生武)
終章 おわりに

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