追悼シンポジウム「認知科学のこれまでとこれから」開催

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 6月24日土曜日に「認知科学のこれまでとこれから」と題して, 故鈴木宏昭教授の業績を振り返りながら認知科学の発展プロセスをたどった。会場となった福武ラーニングシアターには12時30分の開場より前に多くの参加者が集まった。

 名古屋大学の川合伸幸先生より開催のご挨拶を賜った後, 鈴木先生の若き日から最新の研究に至るまでを,村山功先生, 大西仁先生, 阿部慶賀先生, 鈴木聡先生, 嶋田聡太郎先生, 久保南海子先生, 岡田浩之先生などゆかりの先生方からお話しをいただいた。その中で最も印象深かったことは, 鈴木宏昭先生が人とのコミュニケーションを大切にし, 多様性を尊重していたという話だ。鈴木先生は「相手の肩書や分野によらず, 自分の研究成果に対してどう考えるか問い続ける姿勢」を大切にし,相手の意見を否定せず多様な評価を受け入れていた。多様であること, 人それぞれの道を歩むことを大切にしながら,様々な在り方を許容するという姿勢がとても印象深かった。また,認知科学第1世代を担った鈴木先生は「認知科学は研究成果を社会に還元し,近隣分野の問いにも答えなければならない」と考えていた.異分野と絶えずフィードバックをし合うことで,自然と面白い研究に繋がっていたのだと感じる。

 先生方からお話をいただいた後,用意された日本酒を飲みながら,お酒をこよなく愛した鈴木先生を偲んだ。日本酒は,参加者の声をもとに鈴木先生が好まれた銘柄が用意された。私が鈴木先生と食事をご一緒して日本酒を飲むことになったとき,「君はどんな日本酒が好きなの?」と聞かれ,知識が浅い私は以前に飲んだことのある辛口の日本酒が美味しかったので「辛口です」と答えた。すると「辛口なんてただのアルコールでしかない.お米のおいしさ,本当の日本酒を味わいたいなら甘口だよ」と言われ,飲んでみるとこれまでにないお米のおいしさを感じ,それ以降甘口を好むようになった。6月24日も甘口の日本酒が中心に用意され, 鈴木先生が好んでいた日本酒を味わった。会場では各々が懐かしい話で盛り上がりながら,認知科学の益々の発展を祈願した。(R.M)

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