NHKーBSで「世界の10代」というのをやっていた。1回めがアフリカ、2回めがパレスチナ、3回めがイラン、4回めがデンマーク(?)だった。4回めはきちんと見ていないのだけど、なかなか面白い。
1回めは、ウガンダの高校。男尊女卑がすごくて、リーダは男以外はあり得ないというところ。ここで挑戦する女子が前半の主役。後半は、セックスに関する教育を取り上げている。あまりに貧しいせいか、ノートや鉛筆を買うお金欲しさに真面目な子供が売春に走り、妊娠の結果、学校を去ることが多い地域を取り上げていた。なんとかしようと立ち上がった校長先生は正直言って、人権無視とも言えるくらい強烈に性の教育を進める。全校生徒が集まる朝礼で、「胸の大きな子は手を上げなさい」とか、そういう子供が妊娠していないかどうか医師に半ば強制的にチェックさせるとか、妊娠したら退学とか、ものすごいことをやっている。この先生が子供に言う言葉がすごい。「もし君たちが結婚したときふつうは相手は結納で牛一匹くれる。しかし君たちが処女だということを知ったら、だまっていても十匹差し出すだろう@_@;」などという。間違っている部分も多いと思うのだが、その校長はそのくらい若い女の子たちが貧困故に性犯罪の被害者になっていることをなんとかしようとしているのだ。
2回めはパレスチナ。これは打ちのめされた。ふつうに幸せを願って生きていこうとする女子高生のドキュメントだ。我が国でもおそらく多くの少女が抱くものと同じ少女らしいさまざまな夢を抱いて生活する。しかしそうした生活を根源から否定するのがイスラエルからの入植者、そしてそれを保護するために派遣されるイスラエル軍兵士たちだ。この連中のやることはものすごい。兵士がパレスチナ人を弾圧するのは予想できるのだが、さらにたちが悪いのが入植者と呼ばれる連中だ。自分たちがナチスドイツにやられた腹いせなのだろうか。幼稚園に行くかいかないかのレベルのがガキから、おばちゃんあたりまで、まあ信じがたい。
さてなんと、イスラエル兵士たちはこうした入植者たちを守るとともに、彼らがあまりに過剰なことをやらないように派遣されているという。呆れ果てた国家だと認識した次第だ。しかしこうしたことに強く抗議するイスラエル人も出演していた。ということだから、イスラエルの国家政策と、イスラエル人を同一視しないということは大事なことだ。
日本はアメリカのお友達というか、属国というか、一つの州というか、奴隷であるので、アメリカが応援するイスラエル側の情報がバランスがとれないほどたくさん入ってくる。よって自爆テロなどを行う狂気のパレスチナ人というイメージを強く持つ。またオレくらいの年の人間でもパレスチナ、連合赤軍、重信房子という連想で、やはりあそこはイカレタ人間がたちが多くいると考えがちだ。その少女も「パレスチナ人と言っただけでテロリストのように思われる」と述べているが,現実は全く違うと違うということを深く認識した次第。
3回めはイランの女子受験生の話し。これは正直,別の意味で驚いた。受験生の傲慢さというのは日本だけの話しではないという次第。確かに優秀なんだろうけど,何でもやり放題。受験のためには一家総犠牲もやむなし。へぇ,かの国でもそうなんですね。って,日本では噂くらいしか聞かないけど。ちなみにかなりびっくりしたのはイランでは女子の大学進学者がとても多いという事実だ。受験生の6割は女子だとか。女性差別で有名なサウジアラビアとか,タリバンの狂気の女子への弾圧とか,イスラムと女性の進学とは相性が悪いと思っていたけど,そうとは言い切れないわけですね。ただ,イランはシーア派であるけど,サウジはスンニー派,ここら辺も関係するのかな。