今年度のいろいろ

今年度(2008/4−2009/3)前半はあまりたいしたことをしなかった.そのおかげで,特に夏休みはオリンピックもしっかり見たし,水泳もほぼ毎日出来た.しかし後半はそのつけというか,けっこういろいろな仕事をしたように思う.

10月くらいまで慶應の渡辺先生の編集する英語の本に載せる,創発認知の原稿を書いていた.英語は日本語で書くのに比べて5−10倍程度の時間がかかる.そして書いたものを読み返すと,これまた5−10倍程度落ち込む.ふぅぅ.その後,ある本の解説を頼まれてその原稿を1,2週間で書いた.

それから,「対称性」に関わる認知科学の論文を書いていた.対称性というのは,簡単に説明しがたいけど,主に子供の言語獲得や,動物の認知,学習に関わる現象だ.このページに,この特集の企画者の説明がある.ここらへん何も知らないので,10,11月と一所懸命勉強しながら原稿を書いていた.途中から大変に楽しくなり,かなり満足のいく原稿が書けた.

これが終わると,昨年度まで青学の総合研究所のプロジェクトとして行っていた「大学生のレポートライティング力向上」の最終報告書を仕上げていた.これはまもなく本として出版される.また別の機会に記事を書くと思うけど,「学びあいが生み出す書く力」(丸善プラネット)というものだ.これのために2ヶ月ほど,レポートライティング漬けになって,原稿を書いた. これが何とか目鼻がついてきたのが1月中旬.

その後放心状態1,2週間くらいで,学期末試験採点,入試と続き,2月中旬あたりから,今度は科学研究費の報告書作成となる.この研究は,対称性でもないし,レポートライティングでもなく,サブリミナル刺激を用いた洞察問題解決研究というものだ.これがやっと今日完了.印刷屋に渡す.それにしても,我が研究室の卒業生の努力には頭が下がる.彼らの努力と知性がなければ,この報告書は書けなかった.

こういうふうに相互にあまり関係のない仕事をしていると,切り替えというのが大事になる.仕事Xは終わり,モードチェンジして,仕事Yという感じだ.だいぶこういうことも上手に出来るようになってきたと思う. ただ弊害というのもある.切り替えをしすぎて,前の仕事をほとんど忘れてしまうというのがそれだ.自分が何をそこで書いたのかを忘れてしまうことが多くなった.そもそも書いたこと自身忘れていることもある.対称性の論文はまさにそれで,数日前に学会誌「認知科学」が来て,ぱらぱらめくっていたら,自分の名前があって一瞬だけ驚いた.

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