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11月6日の朝日新聞「折々のことば」で、鷲田清一さんがアンデスの山奥の婦人のことばを紹介していた。これは、ある写真家が10年前に撮った彼女の息子の写真を、この女性に見せた時のことばだそうだ。

この顔は覚えていないけど、確かにこの子が着ている服は私が毎日洗濯したものだ

これについて鷲田さんは、顔というものは様々な状況とそれに応じた表情が張り付いたものであり、人はそもそもそういう状況の中で、他者を認識しているが、写真(少なくともその写真)にはそれが欠けている(よって認識できない)と述べている。一方、服にはそうした表情は存在しないので、認識が可能となる。

なるほどこれはとても面白い。

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