我欲とオリンピック開催

ロンドンオリンピックが近づき,各種競技での最終選考が行われている.今日はバレーボール女子が出場権を得た.こういう話は嬉しいのだが,東京でのオリンピック開催についてはどうなんだろうか.日本は開催についての支持率が他と比べてきわめて低い、賛成は半数以下,ということが特徴的だ.こういう数値は実感と近い.

こうした中で,特に気になるのは都知事の発言だ.この人の見解によれば,東京オリンピックを望まない人たちは我欲にまみれているらしい.どういうロジックで我欲が多いとオリンピックを開催へ反対となるのかを説明してもらいたいものだ.小説家という感性だけでいろいろなことを直感的に判断するのはけっこうだが,それは自分の書くさして意味のない小説の中だけにしてもらいたい.行政の長としてその発言をするからには確たる根拠が必要であることも,これから勉強して実践していただきたい.

我欲と言う言葉は東日本大震災の時にも発せられ,地震が我欲にまみれた日本人への天罰という,被災者への冒涜発言の中でも行われた.都知事は震災地のがれきの受け入れを実行している数少ない自治体の長であり,その意味では評価できる部分もあるが,我欲云々,これはいかさま新興宗教の教祖じみた発言だろう。オリンピック共々,もう少しまともな理性で語ってもらいたいものだ.

大阪もひどい状態になっていると思うが,私の住むこの街も特に変わりはないのかなと思う.大変に残念だ.

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