ペットロボットを嗤う

今日は簡単に行きます。ロボットについてです。言うまでもなく、ロボットブームです。消費者だけではなく、研究者の中でもここ10年くらいはロボットブームです。前々から、一言いいたかったのは、「まともなもの作ってよ」ということです。結局、研究してもほとんど何もわからないので、中途半端な、実世界では使い物にならない技術を寄せ集めて、「ペット」はないでしょう。「癒し」などというのが、時代のキーワードなので、適当なこと言ってごまかしているという気がしてなりません。


世の中、ロボットが必要なところはたくさんあると思うんですよ。たとえば、原発。鶴賀の原発の事故で通常の何千倍(万?)の放射能に汚染されたところに漏れ出た冷却水を雑巾(!)で拭き取っていたという衝撃的な場面をみなさんも覚えているでしょう。こういうところにロボットは必要じゃないんでしょうか?臨海事故があったJCOで硝酸ウラニルという有毒物質をバケツを用いて移し分けていたというのもそうです。この事故がなぜ起きたかという研究によると、この移し分け10×10回も行うそうです(田辺・山口、1999年認知科学会発表論文)。この研究発表を行った人は、その作業の面倒くささを図示、説明するために多数の容器が書かれたOHPを見せながら「私なんかこのOHPの長方形(容器)を書くだけ疲れた」と言ってました。こういうところにも、ロボットがいたらいいんじゃないですかね。

それから地雷。これによって悲惨きわまりない状態になっている人たちがたくさんいる。アフガンでも米軍のクラスター爆弾の不発弾が地雷化すると言われています。世界中に信じられない数の地雷がある一方で、その撤去作業たるや、きわめて時間がかかり、かつ危険きわまりない。こうしたところにも、ロボットが必要なんじゃないでしょうか?

こうしたものがないというのは、つまりロボット研究が掃除のレベルにすら達していない、ということを示していますよね(まあ、常識なんですが)。しかし上に述べたようなまともなロボット研究を行っている人もいます。実際、ある日のテレビで東工大の方が地雷撤去用のロボットを開発しようとしていると報道されていました。こうしたちゃんとした、本当に「癒してくれる」ロボットを作りを行っている人にエールを送るとともに、意味不明なものを適当なネーミングで売ろうとしている人への批判をしておきたい。

ところで、二足歩行もそうだよね。本田のロボットを見て、「自然」と感じるのは、あまりにひどいもの見すぎたせいであって、普通の人が見ればあれは「年がいもなく、うさぎとびグランド一週やったおやじが翌日よたよた歩いている」としか見えないんだけど。

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