Internationla conference of soft computing and information systemsという学会で、わたしの知り合いの大森さん(北大)がオーガナイズしたセッションがありました。そこで発表をしてきたので、そのときの論文を載せます。
セッション自体はとてもおもしろいもので、「ダイナミカル宣言」とも関連する重要な発表がそのセッションではなされました。特に印象深いのは次の対比です。
通常のAIを含む情報科学は「望ましいアウトプットを生み出すプログラムを、プログラマが作る」ですが、
新しいアプローチでは「望ましいアウトプットを生み出すプログラムを作るプログラムをプログラマが作る」というものでした。
広義にとらえればこれは機械学習全般を指しますが、このセッションの発表は「生み出すものを生み出すシステム」を脳科学の知見に基づき探求する、つまり創発そのものを扱おうとするアプローチでした。個別的にはいろいろ問題もあるんだけど、このベクトルは正しいと思う。
発表者は
・辻野さん(ホンダ・リサーチ・インスティテュート)
・八木さん(阪大)
・萩原さん(慶応)
・大森さん(北大)でした。ということで結構楽しんできたのですが、このセッションではなく、学会に対して文句もありますね。わたしは会員でもなんでもなかったので、そこらへんの事情わかりませんが、
会費:55000
これはへこみます。そんな高い店、じゃなくてそんな高い学会いったことありません。で場所は帝国ホテルと思いきや、そうではなく単に慶應の矢上キャンパス(理工学部のあるところ)です。受付は一人だけ、前の人がやたらねばって15分ほど待ちました。僕の後にも何人もいましたし、僕の前にきた八木さんは20分待ったそうです。また予稿集、proceedingsもアブストラクトだけのうすーーいやつ(論文自体は6ページも書いたんですよ)。これで55000は高すぎでしょう。
もう誰もこのせっかく書いた論文にアクセスできる可能性がないので、ここに論文(英文)を載せておきます。今論文を引用するときは、
Suzuki, H. (2004) Emergent Nature of Cognitive System for Problem–Solving. Proceedings of the Joint 2nd International Conference on Soft Computing and Intelligent Systems and 5th International Sympsium on Advanced Intelligent Systems, 47(abstact).
としてください。
この論文ではいつもの洞察関係ネタだけど新しい知見と、認知の創発的性質(人工知能学会誌、2003)で書いた理論的な話を有機的に結合させました。必見!?